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鋼の熱処理とは

鋼の熱処理とは
弊社サーマルGrに金属や非鉄金属の熱処理についていろいろなご相談があります。
そのなかでも金型治工具関連のお客様が大変多く、その事業者の方からお問い合わせを頂きます。
金型や治工具向けの焼入れ方法の説明から始まり、内製化に向けての最適設備のご案内をさせて頂いております。
基本の「熱処理とは」をテーマに書かせて頂きます。ご参考になれば幸いです。
熱処理とは/鋼が硬くなる理由
熱処理とは、鋼を適度な温度に加熱し、冷却を行うことで、硬くしたり、柔らかくしたりして、形を変えずに性質を変える処理です。
例えば、金属製品の製作に用いられる「金型」で、様々な金属を曲げたり伸ばしたり切ったりします。
同じものを何千何万個と作るのは、1個の金型です。
なぜ同じ金属の金型が、壊れることなく沢山の金属を加工できるのでしょうか。
それは、対象の金属より金型が強いから、硬いからに他なりません。
では、金型が硬いのはなぜでしょうか。
熱処理により、機械的性質を変え、硬くなっているからです。
では、この硬くなるのはなぜでしょう。
鉄鋼の主成分は鉄(Fe)です。Feの他に必ず含まれている元素が5つあります。
それが、炭素(C) ケイ素(Si) マンガン(Mn) リン(P) 硫黄(S)です。
この中のCが大きくかかわってきます。
FeとCは、セメンタイト(Fe3C)という化合物をつくり硬くなります。
これに熱処理が加わりより硬く強い性質を持たせることが出来ます。
また、硬いばかりではガラスの様に衝撃で割れてしまうこともあります。
ここに、衝撃に強い性質を与えるのも熱処理です。
ポイントは、Cと熱処理により鋼は硬くできるということです。
Cの量や熱の加え方、冷やし方によりその性質はさまざまに変化します。
また、先にご紹介した5元素に、ニッケル(Ni) クロム(Cr)モリブデン(Mo)など様々な元素を加えることで、様々な用途に最適化した鋼がたくさんあります。
この様々な鋼に最適な性質を与えるのも熱処理になります。
他の記事にもありますが「鋼の熱処理」をクリックして頂ければ詳細が確認いただけます。